最も白熱した討論が行われるので多くの子どもと教師の印象に残る授業書です。かなり高度に抽象的な概念を扱うので,はじめて仮説実験授業をやろうという人には難しいかもしれませんが,この授業書ができるようになれば,本格的な力の概念と静力学の理論を理解したことになるでしょう。小学校5年生以上ならできます。「地球の引力とばね/ふつうのものとばね/ばねやものに加わる力/3つ以上の力のつりあい」の4部構成ですが,第4部は必ずしも十分な知識の定着を望めませんので,第3部までにとどめてもよいでしょう。この授業書に直結した岩波映画の〈力のおよぼしあい〉〈力のたし算〉(「たのしい科学教育映画シリーズ第1集vol.5静力学編2」)を中心に授業をやってもよいでしょう。板倉聖宣『仮説実験授業──《ばねと力》によるその具体化』(仮説社)には,授業書とその詳しい解説がありますので参照してください。
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