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仮説実験授業の授業書を,授業支援クラウドサービスを活用してタブレット端末などで授業できるようにしたデジタル版授業書です。授業書は学校の授業で使うことを前提に作られています。実施する際には必ず『仮説実験授業のABC』または 『仮説実験授業をはじめよう』を読み,仮説実験授業の授業運営法にのっとって実施してください。
竹田美紀子(仮説実験授業研究会)著
■授業書《空気と気圧》のねらい (ねらいと解説より)
この授業書は,気圧(気体の圧力)とそれによって起こるさまざまな現象について学び,その実体についてイメージを描けるようになることをねらいとしています。 また,それによって力学的自然観を培うことをもねらいとしています。
気体は自由に動き回る分子からできています。そして,気体の圧力は,気体分子の衝突のために生じるものです。大気圧(=私たちのまわりにある空気による圧力)も例外ではありません。大気圧も気体分子の衝突によって生じています。
ところが,従来の大気圧の説明では気体の分子運動に目をつけることはなく,「大気圧とは空気の重さによって生じる圧力である」と定義されるのが常でした。大気圧の原因が重力にあるのは,誤りではありません。しかし,この定義は多くの児童・生徒に,「大気圧=空気の重さ」というイメージを作り出し,さまざまな誤解や疑問を生じさせてきました。
「大気圧が空気の重さなら,その力は下向きにかかるだけなのではないか」,「大気圧が空気の重さなら,屋外と屋内では気圧に差があるのではないか」といった誤解や,「大気を密閉容器に閉じ込めたら,その圧力の大きさはどのように考えたらいいのか」といった疑問です。
この授業書では,気圧を〈気体の分子運動〉だけで定義しました。それによって,従来のような誤解や疑問が生じることをなくし,気圧に対して〈実体のあるイメージ〉を持てるようにしたのです。さらに,その〈気体の分子運動のイメージ〉を使い,予想・実験を繰り返していくことにより,力学的世界観を培うようにも構成しました。〈気圧によっておこる現象〉は気体が目に見えないものであるために,一見不思議に思えることもあります。〈不思議に思える現象〉に出会った時でも,超自然的な言説に惑わされず,原子論的に考えていけるようになることもこの授業書のねらいの一つです。
対象学年は小学校高学年以上です。
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