金銀銅の不思議を探る―実験で楽しむ金属のサイエンス
四ヶ浦弘 著
はじめに
その昔から全国各地で金、 銀、 銅の採掘が行われていた日本。 私たちの住む金沢は砂金から名前が付いた街ですが、 砂金を使って特産の金箔が作られ、 応用で銀や白金の箔も作られてきました。
金、 銀、 銅はオリンピックのメダルにも使われる金属の代表ですが、 これに白金を加え、 「電気を通すか?」 「どれくらい延ばせるか?」 といった「金属に共通する基本的な性質」や、 「それぞれにしかない性質」、 「取り出し方」 等を掘り下げていったところ、 思いもしなかった金属の世界が拡がりました。
さらに最近になって取り組みだした 「宮沢賢治の作品に描かれた金属の科学」 が文系理系の壁のようなものを低くしてくれました。
この本は、2017年にA4判で発行した 拙著「金銀銅の不思議を探る」 をベースに、 新しい実験を加えて大幅に書き直しA5判に改訂したものです。 その内容の多くは、 金沢高校科学部の皆さんや研究仲間の皆さんと一緒に実験をしながら調べてきたものです。 金、 銀、 白金の箔を使って 科学部での研究や自由研究をしてみたいと思われる皆さんにも手に取って頂き、 ご一緒に金属の世界を楽しんで頂ければ幸いです。
本書で紹介する実験には、金、 銀、 白金箔を使用するものが多くあります。 金、 銀、 白金箔はとても薄いため、 扱うのがとても難しいのですが、 PET板に箔を添付した片面コート箔を使用することにより、 これまでアートの世界でしか活用されてこなかった箔を多くの実験に使うことが可能になりました。 片面コート箔は 「金沢・金の科学館」と 金箔を扱う 「カタニ産業」 が協力して開発したオリジナル実験用素材です。
全頁カラー、A5判
発行:金沢・金の科学館 発売:仮説社
ISBN978-4-7735-0334-0 C0043
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