「はじめに」 村西正良
いまは,2021年11月です。これまでおよそ2年間,〈新型コロナウイルス感染症〉がテレビや新聞で話題にならない日はありませんでした。日本そして世界中がこの感染症に振り回されました。そしてそれは,いまも続いています。
このかん,テレビや新聞だけでなくインターネット上でもたくさんの情報が発信され,私たちは〈新型コロナ〉だけでなく,〈感染症〉全般についても多くの知識を得ました。しかし,専門家しか知らなかったようなことを知っている一方で,基本的な知識がわかったいないという状況もみられるように思います。
流行が始まった2020年2月ころから,私は,今回のできごとを自分自身が理解し,また,周りの人にも伝えようと,さまざまなグラフを描いたり,文章を書いてきました。それらを,仮説実験授業研究会のなかまに見てもらい,意見をもらって手直しをし,またいくつかの場所でミニ講座や授業として体験もしてもらいました。そのうち,グラフについては,Facebookでともにグラフを発表していた人たちと,『新型コロナをグラフで見る』という冊子にまとめました。(2020年8月)
これまでに人類が出合った多くの感染症と同様,〈新型コロナウイルス感染症〉もいつかは終息するでしょう。終息したあと,時間がたつとともに,「この感染症に痛めつけられた」という記憶はだんだんと薄れていくかも知れません。人類と感染症との付き合いがこれでおわるわけではありません。これからもずと続いていきます。そこで,私が今回学んだことを冊子にまとめておくことで,みなさんと知識を共有したいと思います。
「内 容」
はじめに
1.授業プラン〈感染症学入門〉
2.感染症を〈正しく〉恐れる
3.PCR検査数を増やせばいいの? ――PCR検査の精度と検査対象の数――
あとがき
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