金比羅舟々追いてに帆かけてシュラシュシュシュ。
金比羅様のおひざもと,四国丸亀藩を舞台に,
青空晴之助が化け物退治に挑みます。
瀬戸内の動物たちをまきこんで,
いざ,じんじょうに勝負,勝負!
第一巻の相手は……ギョギョッ! 口から火をはく鼻大蛇!?
長年,多くの先生や子どもたちに支持されてきた,子ども向け時代物の傑作が新装復刊しました。
シャレの効いた文章は,思わず口に出したくなること間違いなし。
すべての漢字にふりがながついているので,子どもが一人で読む本としてもおすすめ。
晴之助とお供の動物たちが繰り広げる熱血痛快な物語を,
どうぞお楽しみに!
〔作者あとがきより〕
子どもが主人公の時代物を書きたいとずっと思っていた。波乱万丈で熱血痛快で明朗快活な剣と妖怪の物語を。
さらに「話ができる動物が友だちになる」「人知れず修行して強くなる」「親元を離れて旅に出る」といった,多くの子どもが憧れる要素をすべて入れ,江戸前のしゃれた言葉やくすぐりをちりばめて。
そしてできたのが『青空晴之助』(1998年・フレーベル館)だが「時代物はむずかしい」という出版社の懸念通り,じきに絶版になってしまった。
それが今回,仮説社から復刊される。
復刊に向けて仮説社に直訴してくれた神奈川県の小学校の先生である高畠 謙さん,それを快諾してくれた仮説社のみなさん,新しい表紙を描いてくれた川端 誠さんには心からお礼を申し上げる。
請われて再び世に出る晴之助も果報者だが,愛着のある作品なので作者としてもとても嬉しい。
まさに「気分は青空晴之助!」だ。
カテゴリ一覧
2021/08/09 ほんはこころのごはん さん ★★★★★
たくさんの子どもたちに出会ってほしいおもしろかったです!
気持ち晴ればれ青空のような爽快感を感じる読後感でした。
なんといっても主人公の少年剣士・青空晴之助の、明るくまっすぐでひたむきなことに心惹かれます。主人公への共感や憧れは、子どもの読者が最後まで安心して読み進められる大切な要素だと思います。
晴之助の友達(人と動物)や、周りの大人たちの個性も際立って楽しいです。
次はどうなるの?!?!の展開に加え、いろいろ伏線が張ってありそうなのもワクワク。続きが楽しみです。
現代の子どもたちに、“時代物”は逆に新鮮かもしれません。そして、日本語っていいなあとあらためて思いました。よく練られた語彙、言葉遊び、人物名それぞれのネーミングセンスにうなりました。ストレートな遊びゴコロを感じます。また、
総ルビ・明瞭簡潔な言い回しはとても読み易く、自分が読んでいる心が講談師の声になって聞こえてくるようでした。
わかりやすいくすぐりがちりばめられてあるのも、作者さんの「多くの子どもたちに楽しんでほしい。自分で読める喜びを感じて、読書が好きになってほしい」という願いを(勝手に)感じて、ジーンとしました。
学校の先生が、少しずつ子どもたちに読み語れる本としても心からおすすめしたいです。早速、関わりのある子ども関連の施設に紹介しました。
川端誠さんの表紙絵や挿絵もとても素敵。原画展があったらぜひ見に行きたいと思っています。
2021/08/07 スピン さん ★★★★★
親子で読める復刊されたとのことで、息子といっしょに読もうと購入しました。
剣術を身に付けて強くなりたい10歳の青空晴之助。父親が行方不明になり、母親と二人で、父を探しながら母を助け元気いっぱい日々を過ごしていました。そんな折、ふとしたきっかけから、剣術を教えてくれるという謎の老人と出会います。晴之助のまわりで起こる事件に弱腰になったり、やる気になったりしながら立ち向かい日々成長する晴之助に「晴之助くん、がんばれ〜」と応援しながら読みました。私は、息子を応援する母の気持ちで、きっと息子は、自分が晴之助くんになったつもりで読み進めました。
時代物のお話なので、わからない言葉は、子どもとの共通の話しのきっかけになります。脚本のような本文で時代物のお話。たくさんのジャンルの本に触れて欲しい子どもの時期に、親子で読んで欲しい本だと思います。
2021/08/06 nagamimiya さん ★★★★★
とっても面白い!復刊、とっても嬉しいです!
子どもたちが小学生の頃、高学年の長男が「晴之助」にはまり
その影響で、4年、3年の下の子たちには、毎晩私が読ん聞かせ、全巻読破。
読んでる私の方も、面白くて、ドキドキワクワクして子どもと一緒に楽しみました!その本が、復刊とは。
嬉しいです。手に取ると以前よりサイズが小さくなって、良いですね〜表紙も素敵。ちなみに、うちの子は晴之助の影響で、剣道を始めました。読み応えのある本格派、たくさんの子に紹介したいです。
2021/08/05 匿名希望 さん ★★★★☆
時代を気にせず楽しく読めるテンポがよく、非常に読みやすい文章。流石は杉山さん、という感じでした。さらに、川端さんの絵がいい味を出していて、いい意味で児童文学らしく思いました。
地の文……つまり字がたくさん書かれていると、読みづらく感じて中身を見る前に本棚に戻してしまいます。それを台本書きと簡潔な文章で解決されているので、トントンと話が進んだのかも。展開が早いのがこの本のいいところの一つだと思います。
「時代物はむずかしい」と書かれていましたが、時代物として読むには児童書らしいファンタジー要素がまじっているので、時代を気にせず楽しく読めると思います。
2021/08/05 森クマ さん ★★★★★
ありがとう!長らく絶版になっていて、読みたくても読めなかった「青空晴之助」を手に入れることができました。仮説社さん、ありがとうございます。
しかも、今度はこぶりのソフトカバーで、とっても読みやすくなりました。
全文、ルビがふってあるのもいいですね。もともと、講談モノなので、難しい言葉も口に出して読むと、だじゃれの面白さが楽しめます。ぜひ、声に出して読んで欲しい本です。
2021/08/04 まるちゃん さん ★★★★★
おもしろくて、すっきりする!!時代ものだけど、現代のものもでてきて、読みやすい。ことば遊びもあって、おもしろい!晴之助が魅力的!!早く、続きが知りたくなった。
2021/08/01 武田範子 さん ★★★★★
ものがたりの楽しさ満載!学校司書をしてたときに、朝の連続小説の本として先生に一番おすすめしたかった本です。
ぜひ音読してみてください。カミ易い私でもなぜかすらすら読めます。字面ではとっつきにくそうな地名や時代がかった言葉も、耳から入れば抵抗が少ないと思います。(ちょっと説明してあげてもいいですよね)子どもが乗ってくる言葉遊びが満載で、みんなで笑っているうちにどんどん手に汗握る展開になっていきます。本に苦手意識のある子どもも、ものがたりの楽しさを知る一冊になると思います。
担任の先生が一冊の本を毎日少しずつ読んであげる、という、「朝の連続小説」が子どもたちにも先生にも最高の時間になることを目撃してきた私としては、ぜひぜひおすすめしたいです。
復刊にあたり久しぶりに再読しましたが、こんなにスリリングな展開だったことを再認識しました。早く続きが読みたいです。