算数プラン〈比の授業〉
●はじめに
6年生の教科書に「比と比の値」があります。一般的には,6:5というような比をあつかいます。数教協(数学教育協議会)では連比とよばれる5:3:7から導入することになっています。新居さんのプランでも,この連比から導入されています。6:5のような比を,連比と区別して単比とよんでいます。
単比を中心にすると,連比を忘れがちですが,連比から入れば単比は連比の特殊な型とみることができます。数教協が提唱する「一般から特殊」がここでも適用されています。
●比の指導について
比は,Ⅰ水槽の伸び縮み型,Ⅱ水槽の仕切り型の2つに分けることができます。Ⅰは水槽の仕切りは,はじめから設定されていて,×か÷の操作になる型で,いわゆる「のびたりちぢんだり型」の比です。それに対してⅡは水槽の水は決まっていて,区切りの仕切り板の場所を比で決める型です。Ⅰを「のびたりちぢんだり」,Ⅱを「どこで分ける」と呼ぶことにします。Ⅱの「どこで分ける」は,つぎのような問題が考えられます。ステンレス鋼は,鉄,クロム,ニッケルが74:18:8の比で作られています。「ステンレス鋼を100t作るためには,鉄,クロム,ニッケルがそれぞれ何t必要でしょうか」という問題になります。
指導の流れとしては,Ⅰ「のびたりちぢんだり」連比→単比,Ⅱ「どこで分ける」連比→単比がいいと思っています。比の性質の「倍一定」「比を簡単にする」「比の値」についてはⅠで扱い,文章題になってからⅡを扱います。
初版改訂以降,授業実践を経て今回大きく改訂しました。
(2019年10月,図等を新しくしました)