『中学教師,おもしろい』～たのしい中学教師への招待
　『中学教師、おもしろい』──自分で言うのも変ですが、なかなかいい本ができたと思っています。あなたにぜひ読んで頂きたい。

　僕たちは、なにもこの本で、「中学教師、おもしろいよ」という自分たちの気持ちを、みなさんに誇ろうとしているわけじゃーないんです。「中学の教師って、結構おもしろくやれるよ。あなたも、どうせだからたのしくやろうよ。だいじょうぶ、誰だってたのしくなれるって!」ということを、みなさんに伝えたくてしょうがなかったのです。

　じつは、僕だってはじめから「中学教師、おもしろい」などと思えてたわけじゃーないんです。教師1～2年めの頃は、女の子たちに故意にソッポを向かれたり、男のたちからは「先生、もっとビシッとしなよ」などと忠告されたりで、しばしば頭を悩ませていました。「校内暴力」「受験」「思春期」……悩もうと思えば、悩みの種がいっぱい散らばっている中学校。

　ところがどっこい、こんな僕でも、ある時からジュワジュワ～ンと、「中学教師、おもしろい」と思えるようになれたのです。実際に〈たのしい授業〉にもいっぱい出会えるようになれたしね。「たのしい授業でハッピー教師入門」──僕、このことがたまらなくうれしくてね。

　ところで、こんな僕と同じ思いをしている人が僕のすぐ近くにいました。元同僚の石塚　進さんと隣りの中学の中　一夫さん。この二人とも僕と全く同じような道をたどってハッピー教師入門しているのです。仮説実験授業などのたのしい授業で子どもたちとちょぴりイイ関係やっている。「これなら(この道なら)、他のみなさんにもすすめられるね。真似してもらえそうだもの。そんな本、僕たちで作ってみようか。中学校、もっともっと明るくなるといいもの──東京・昭島の喫茶店「祥」で何度かおしゃべりしているうちに、そんな気持ちになってきました。

　ところで、たのしい授業の思想と実践でいけば、おもしろのは何も中学の先生ばかりじゃーない。小学校や高校の教師だっておもしろい。そう、この本は、中学教師に限定しない「たのしい教師入門」の本でもあるのです。ハッピー教師入門──あなたもいかがですか。(小原茂巳)

★★　目次　★★

はじめに:「たのしい中学教師への招待」(小原茂巳)

私がいま中学校教師に求めるもの(板倉聖宣)
中学教師のおもしろさは?
座談会「中学教師、おもしろい〔前編〕」(小原茂巳・山路敏英・石塚　進・田辺守男・中　一夫)
「そのままの君で」なんて、よく言うよね(小原茂巳)
たのしみごとを間におく関係(小原茂巳)
俺のハッピー教師入門(小原茂巳)
たのしい教師への道(石塚　進)
「授業書のある教師の世界」からのメッセージ(犬塚清和)
中学校の先生って、いそがしすぎる?(中　一夫)
前略・おふくろ様──管理的な学校での〈仮説〉教師(中　一夫)
「イイ関係」って、どんな関係?

座談会「中学教師、おもしろい〔後編〕」(小原茂巳・山路敏英・石塚　進・田辺守男・中　一夫)
座談会「中学教師、おもしろい」を読んで(山本正次)
読者のページ

あとがき

初版1993年1月24日
改訂新版2000年10月20日
頁数:178ページ

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